美しい人と社会の創造〜問題意識の醸成。そして問題解決への行動を起こす。〜
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2008年度 基本方針

【我々の使命とは】

 明治維新前夜、日本が近代への幕開けを告げるその時、日本の将来を憂う志士たちが、率先して立ち上がりました。
 それまでの鎖国政策により世界の情勢を見ようとせず、長い安泰の時代を過ごした日本。しかし世界では帝国主義がはびこり、欧米列強による侵略の波が極東の島国日本へも押し寄せて来ました。国が無くなるかも知れない未曾有の危機において、日本を憂う若者たちは、それまでの既成の概念を覆し、率先して行動し、日本を近代国家へと導いて行きました。今、混沌としている時代だからこそ、我々はその様な志士となり率先して明るい豊かな社会へ向けて行動しなければなりません。志を持って挑むのは、我々JCの責任であり、使命であります。我々が率先して行動し、市民一人ひとりが問題意識を持ち、その解決に向け自発的に行動する。その結果、そこに住む皆が笑顔で、安心して暮らせる社会、そして、未来の子供たちが誇りを持って暮らせる社会の土台を今新潟JCが築き上げようではありませんか。

【郷土への愛が、問題解決の基礎となる】

 自分の愛する人が問題に直面していたら、貴方ならどうしますか。自分の子供が将来安心して暮らせない世の中になる問題が目の前にあったらどうしますか。愛する家族が問題に直面していたなら、貴方は必ずやその解決に率先して行動を起こすことでしょう。民草のリーダーである我々JAYCEEは、これを社会に置き換えて考える必要があります。まずは、家族を新潟に置き換えて考えてください。愛する新潟が問題に直面していたら、その解決に取り組もうとしませんか。郷土への愛を持つことが問題解決に向かう基本的精神となるのです。新潟を好きかと聞かれれば、多くの人が好きだと答えると思います。しかし、具体的に何所が好きかを答えられる人は少ないのではないでしょうか。郷土への愛は、そこに生まれ、育つ中で、自然に醸成されていくものでしょう。自然と持ち合わせている気持ちであれば、今から郷土愛を植え付けるのではなく、自分自身が持っている郷土への愛に気づくだけで良いのです。今改めて自分自身が持っている郷土への愛に気づくことにより、自らが住む地域の問題点が見えてきて、その解決に取り組む意識が養われるはずです。

 JCは言うまでもなく明るい豊かな社会を目指して活動を行っています。その根底にはその地域が好きだという気持ちがなければ活動を継続する事はできません。まさにLOMにおいては新潟好きの集団であるべきだと考えます。好きだからこそ新潟の為に献身的に活動を行う。その様なメンバーを多く増やすことは、JC発、市民意識変革への大きな力となることは間違いありません。市民意識変革への第一歩として、志を同じくするメンバーを増やし、多くのメンバーをもって社会を明るくしていきましょう。

【日本人としての美学と自国の成り立ちを知る事から、明るい未来を創造する】

 今、新聞やニュースを賑わす問題の多くで、以前であれば信じられない様な事件が多発しています。親が子を、子が親を殺す凄惨な事件。消費者を無視し、会社の利益の為なら何でもする商道徳の問題。このままで明るく豊かな将来を想像できますか。何故この様な社会になってしまったのでしょうか。その理由の一つは教育にあると考えます。なぜなら教育は国家百年の計であり、社会の基礎を作り上げるには教育しかないからです。であれば今ある状況は過去の教育の結果ともいえます。そして今行われている教育は、今後の日本を、新潟を、どの様な社会へと導いていくのかを決定する瞬間でもあるのです。

 戦後日本人は、それまでの長い歴史の中で培われてきた、武士道に代表される自らを律する固有の美学を無くしていきました。結果、社会規範が曖昧となり、法律に触れなければ何をしても構わない、人に迷惑をかけなければ何をしても構わない、皆が行っているから自分も行っていいという考えがまかり通る世の中となりました。そして、そういった言葉に反論する事すら出来なくなっていったのです。しかし、私たちはそのことに違和感を覚えます。なぜ違和感を覚えるのか。それは、私たち日本人が長い歴史の中で培ってきた伝統的な精神を未だ持っているからなのです。得てして人は損得や欲の価値観で行動をしてしまいがちです。しかし、皆が損得を優先して行動をすれば明るく豊かな社会が成り立たなくなるのは当然のことです。この様な状況を正すには損得よりも先に、人として何が正しく何が悪いのかを自らの中で峻別し、数ある選択肢の中から進むべき道を決定する力を養う必要があります。決して独善的では無い、社会性を得た徳の価値観である「己の美学」を持ち、自らが正しく生きようとする、美しく生きようとする教育を今行う必要があるのではないでしょうか。この様な教育は本来であれば各家庭で親がなすべきはずなのです。しかし、今の親は子供と対等な目線に立ち、物わかりの良い親となって、子供に躾を行えなくなってしまいました。本来親は、子供に対し社会規範や親の信じる善なる価値観を子供に押しつけなければならないのです。その為には、大人である我々も自らを律する美学を持って、子供に伝えられるようにならなければなりません。そして子供はそれを基礎とし、また自らの美学を持つようになることで正しい人となり、延いては正しい世の中を作り上げていくのです。我々大人も子供とともに成長し、自らの美学を見つけ出してい
くことが、将来のためになるのです。

 日本は、有史以来2000余年の歴史をもち、歴史の中で培われた伝統や風習等により共通の価値観を持ってして日本という一つの国家を成り立たせてきました。そこから日本固有の国民性が成り立っているのです。国家とは社会契約論に見られる様な国家と国民との一種の契約で成り立っているという考えの他に、歴史の連続性をもって国家となるという側面も持っています。今があるのは過去があるからという考え方です。先人達は伝統や風習を受け継ぎ、誇りを持って未来の世代へと引き継ぐことで国家の連続性を保ってきました。しかし、現在の日本においては、戦後のアメリカ的な価値観や自由と民主主義の拡大こそが進歩に繋がると考えるようになり、また近年の経済分野でのグローバル化の波により、次第に国民を繋ぐべき伝統的価値観と併せて祖国への誇りも失っていきました。それは、長い歴史を持つ国であるにも関わらず、わずか戦後60年程の間で崩れていったのです。なぜ私たちはそれらを失ってしまったのでしょうか。そのポイントは近現代の歴史にあると考えます。特に明治維新以降、日本が近代国家へと変貌をする時代から大東亜戦争までの時期と、大きく価値観を転換する事となる戦後から現在までの歴史は、現代社会の成り立ちを考える重要な期間となります。その時代の先人達がどの様な状況で、何を考え、何を行ってきたのかを振り返り、そしてなぜ継承してきた伝統的な価値観と誇りを失う事となったのかを検証しましょう。私たちは日本という国を存続させるために、祖国への誇りを持ち、先人が受け継いできた価値観を未来に引き継いでいく責任があります。そのためには自らの国の成り立ちを知らなければいけません。自国の歴史を知らないことは、自分のルーツを知らないこと。日本であればその成り立ちを知らなければ日本人とは言えないのです。

【自らの行動が社会を変える。それが未来に向けた現世代の責務】

 我々の住む地球はその誕生から約46億年たっていると言われています。そして人類はその地球から生まれた生物であり、地球の環境があってこそ生存可能な存在なのです。私たちは生態系の循環の中から生まれてきました。産業革命以降、人類は生態系の頂点を極め、欲望のままに自然を破壊してきました。その結果、本来あるべき自然界の循環は崩れ、そして今騒がれる地球温暖化や異常気象などの人類を脅かす大きな問題が生まれて来ました。このままで50年、100年後の地球の環境を想像できますか。将来私たちの子孫は明るく生きていけるのでしょうか。昨年度新潟JCでは、環境の問題をマクロとミクロの視点で捉え、問題に対する意識の変革と、そこから行動に移すよう運動を展開してまいりました。マクロの視点では、自らの行動が世界的に相互に影響を及ぼすことを理解し、ミクロの視点では、身近な所から環境問題を考えるべく意識を変革しました。突き詰めると環境問題への解決は、やはりこの2点から考えるほかないのです。本年度も、地域のリー
ダーであるJCが、環境問題が世界的な影響によることを理解した上で、更に地域に住む人々が一人でも多く環境問題に取り組むよう意識を変革し、多くの市民が行動を起こすよう、率先して運動を展開して行きましょう。未来の環境への責任は、今の世代である我々の行動によって決まるのです。

 一方世界から私たちの生活を取り巻く社会環境に目を移せば、ここにも問題は存在しています。現代の社会は急激なスピードで変化をしており、安閑と生活をしていては、自らの意思は置き去りにされ、社会の変化に流されるだけの生活を送ることになるのです。私たちは衣・食・住が満たされていれば、最低限生きていくことができるでしょう。家族と楽しく生活さえできれば、幸せかもしれません。しかし、もしかしたら、気づかない内に私たちの社会は悪い方向に向かっているかもしれないのです。日本は国民国家であり、国民が成熟してこそ国家も成熟していくのです。それは地域にもあてはまります。地域を担うのはそこに住む市民なのであり、自身を取り巻く環境だけを考えるのではなく、広く社会への問題意識を持たなければ、自分の進むべき道も持つことはできません。その様な状況で誰が社会を良くして行けるのでしょうか。自らの置かれている状況を今一度見つめ直し、多くの事を知った上で、自らが進むべき道を自らが選び、作り上げることができる。その様な環境が国民主権社会と言えるものであり、JCこそがそのきっかけを作るべき団体なのです。まずは、新潟の現状に目を向けるよう市民の意識を変革しましょう。そして、一人でも多くの市民が問題に取り組む社会をJCが作り上げましょう。

【国際社会における日本の状況を知り、相互理解を通じて世界平和を求める】

 自国のエゴが蔓延する国際社会の中において、我が国日本は、どのように振舞い、どのように翻弄されているのでしょうか。今や大国間での戦争が世界にとって危機的状況を引き起こすことが解っているこの世の中において、そのパワーバランスを自国の国益に向けるのに大事な活動が、情報インテリジェンスなのです。情報インテリジェンスとは国家間における駆け引きに他なりません。世界の中で自国の利益に繋がるよう、情報の収集からその評価・分析を行う事は、この先自国がどの様な政策を取っていくかの重要な活動となるのです。日本の置かれている状況を考えれば、四方を海に囲まれ、大小多くの島々が点在し、世界でも6番目に広い排他的経済水域を持つ海洋国家であり、また資源を持たない日本は、その多くを海上輸送による輸入に頼っています。仮に海上交通路(シーレーン)が危機に瀕した場合、日本の国民は生活ができないほどの打撃を受ける事となるのです。その様な環境にある国だからこそ、国を守るための情報インテリジェンスへの意識を高める必要があるのです。また、その様な国際社会における意識の低さは、自国の領土・領海への意識の低さにも関わってきています。島国で育った日本人は、自国の領土・領海に対しての意識が希薄であると言わざるを得ません。領土・領海は先にも書いた、まさに国益に繋がる重要な事項なのです。このままでは、日本という国がなくなってしまうかもしれません。そうならない為に、国際情勢を見つめ、その中で日本が置かれている状況を知ることから始めなければなりません。そこから問題意識を持ち、自らの国の未来を自らが切り開く自立した国家とならなければ、世界平和は求めることはできないのです。

 一方、JCは世界123か国、17万4千名のメンバーが共通の理念である世界との友情を共有している団体です。その志が同じであるからこそ、各国のナショナリズムを乗り越えた友情が育めるのだと思います。それは、国家という枠を超えた、民間外交に他なりません。国益に繋がる交流は政府が行うものであり、新潟JCにおいては、姉妹JCである汝矣島JC・板橋JCとの交流により民間外交を行っております。交流を通じ、互いがどの様な人であるかを理解することができる環境にJCはあるのです。その環境を有効に活用し、世界平和に向けてJCならではの民間外交を行ってまいります。加えて、その様な活動の意義を更に広めるべく、新たなパートナーとなるLOMを調査・研究をしてまいります。

 国際的な交流だけでなく、LOMにおける交流は、市民意識変革を行うために重要になってきます。社会を変革するためには、市民意識の変革が必要不可欠であることに既に異論はないでしょう。我々を含めた市民が、大きなムーブメントを起こすことが、社会を変える有効な手段となるのです。その為には、LOMが一枚岩になっている必要があります。情報の発信元となるLOMがバラバラな方向に向いていて、市民の意識は変わるはずもありません。LOMに所属するメンバー個人個人が同じ方向に向いてこそ、市民への波及が可能となります。そのためには、まず会員相互の理解から始めましょう。その上で、友情を育み、そしてそれぞれの事業の目的を共有しましょう。そのことが事業への参加へ繋がり、参加する事から多くを学び、自ら考えることで問題に対しての行動に移して行きましょう。

【市民の付託に応えるJC】

 社団法人を取り巻く状況は変革期を迎えており、本来あるべき社団法人の役割を明確にするべく、公益法人制度改革が2008年に始まります。この改革は、今までの社団法人を公益社団法人と一般社団法人とに分けるもので、公益社団法人とは、事業の内容及び予算の使い方まで公に対して利益のある活動をしている団体に対して授けられる名称です。明るい豊かな社会を目指す我々JCは、市民の付託に応えるべく今までも公のために活動を行って来ましたし、今後もそうでなければなりません。市民の目は厳しく注がれています。我々の活動は本当の意味で社会の役に立っているのか。その活動意義を常に振り返り、事業を率先して行っていきましょう。その為には、我々新潟JCのメンバーは、多くの事
を学び、その上で自らに自信を持って率先して活動しなければなりません。一人で行動しても社会は変わらないかもしれません。しかし一つの理念である明るい豊かな社会を目指す仲間が我々にはいるのです。新潟を想い、今を、未来を明るくしようとする仲間が一体となることで、信じられない力が必ずや働くことでしょう。想いが本気であれば必ず地域が変わり、市民の意識を動かすことができます。その結果として、我々を含む市民が問題意識を持ち、自らが地域を、国を良くするための行動を起こすのです。まずは新潟を本気で想いましょう。そして問題の解決に真剣に取り組みましょう。一人ひとりの一歩が必ず明るい豊かな社会に繋がると信じて。

【事業計画】

(1) 愛する自らの郷土と祖国への関心を高め、郷土への愛を持つことにより問題解決への基本的精神を醸成する運動。
(2) 日本人としての美学と自国の成り立ちを知ることで、社会を率先して牽引する人材を育成し、未来への布石を打つ運動。
(3) 緊急の問題に対し、解決に向けた行動を起こし、自らが社会を作り上げるという市民意識変革を図ることで、未来へ価値ある財産を残す運動。
(4) 国際社会における日本の状況を知ることから国家主権への意識を高めると共に、国際的な交流である姉妹JCとの民間外交により、相互理解を通じて世界平和を求め、LOM内の交流においては、事業が効果的に行われるべく組織の一体感を高める運動。
(5) 市民意識変革を効果的に行うため事業活動を外部へ発信し、内部においては事業の審査と組織的バックアップにより、公益社団法人としての適正な活動をサポートする運動。
 
 
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