GREETING

理事長メッセージ

ポジティブチェンジ~幸福の起点となろう~

「幸福こそ、人間にとって究極の目的であり、最高善である。」(アリストテレス)

私たちは、誰もが皆、幸せになることを目指して生きているのではないでしょうか。私が好きな言葉ですが精神的、身体的、社会的のすべてにおいて良い(well)状態(being)を示す言葉として、ウェルビーイングという言葉があります。この言葉こそが、本当の意味での、幸福を示すものであると、私は考えます。また、新潟青年会議所設立趣意書には「社会福祉に寄与しようとするのが、青年会議所設立の根本とするところである。」とあります。社会福祉とは「社会成員の幸福な状態。それは、現実にはまだ実現していないものであり、したがって、目標や理想として追求するべきものであるとされることが多い。社会成員の幸福な状態をもたらすための制度、政策、実践等。」と定義されることがあります。つまり今の時代でいうところの新潟のすべての人が、ウェルビーイングになることを目指すことこそが、社会福祉に寄与することであり、新潟青年会議所の根本だと考えることができます。青年会議所の運動を通じて、新潟のすべての人のウェルビーイングを実現しましょう。そして、新潟に住む人々が健康で、個人を尊重し合い、やりがいをもって、すべてが満たされた人々で溢れる、幸福度の高い都市を目指していきましょう。そのためには、私たち青年が行動を起こし、社会を変えていき、私たち一人ひとりが幸福の起点となることが大切なことなのです。

はじめに

introduction

私が人生で大きく影響を受けたのはHIPHOPです。従兄弟の影響で小学生の時からラップミュージックを聴いておりました。大好きだったハリウッド映画でもラップ等の文化を目の当たりにし、のめりこんでいきました。MC、DJ、ブレイキング、グラフィティの4大要素からなるこの文化は、ニューヨークの貧困街であるサウスブロンクスで生まれました。大学にもいけない、経済的にも困窮した若者が、家にあるものをもち寄った中で、既存のものを再定義し、そして再利用することで、本人たちは意図しなくても、音楽やダンスやファッションやアートを世界トップレベルまで昇華させ、後に世界中で採用されブームとなり、すべての要素が世界を席巻し、未だに影響を与え続けています。HIPHOP文化の根底にある、自分にしかできないオリジナルを追求し、最高を求めて進化し続けるという姿勢に感銘を受けました。この劣悪な社会環境から、世界を席巻する文化が生まれたということは大変意義深いものであり、環境とはなんなのか、幸福とはなにかということを考えさせられました。
青年会議所は地域をより良くしたいという志をもった若者が集う団体であり、ウェルビーイングにつながる運営をし、生産性が高く、満足度の高い組織にすることで、各メンバーの会社にもち帰り、従業員、ひいては家族のウェルビーイングにつながるのだと思います。また新潟青年会議所の事業を通じて新潟の明るい未来のために活動しており、より運動の効果を高めることが、より良い新潟につながっていきます。つまり、まずはメンバーの意識を変え、組織変革を行うことで、すべてが満たされた人々で溢れる幸福度の高い都市にしましょう。
ポジティブ心理学という分野において、学術的に人の幸福についての研究が進んでいますが、研究によると、50%は遺伝であり、住む家やお金等の経済力や健康、容姿、職業等の生活環境や状況は10%しか影響しないといわれています。40%もの割合は個々の意図的な行動であり、日常生活の行動や考え方を通じて、私たちは幸福度を高めることができるのです。つまり私たちが行っている、市民の日常の行動や考え方を変える運動そのものが、市民や私たちの幸福度の向上につながっていたのです。
私が子どものとき、古町の商店街は人で溢れ、活気がありました。しかし、最近はまちに訪れる人が少なくなり、店も少なくなりました。実際にRESASを使って調べると新潟市の人口は、社会増減数で見ると、1996年には2,797人が増えていましたが、2019年は417人減っています。また、新潟市の小売業の事業所数は、1994年から2016年までで4,000程減少しています。今も人口減少、少子高齢化、人材不足等日本は課題先進国として、多くの課題を抱えており、未来の子どもたちのためには私たちが行動を起こす必要があります。
18世紀にイギリスで起こった農業革命以降、産業革命、情報革命と社会の変革が続き、社会そのものが進化した知識社会では、すべての仕事にアイデアとチームワークが求められます。アイデアやチームワークは、やる気から生まれます。チームワークを活かした組織となる必要があり、IT等の技術は指数関数的に発展しているのに組織はさほど変化しておらず、日本の組織の現状はとても厳しいです。
米国の調査会社であるギャラップ社の2017年発表の調査によると日本は熱意溢れる社員の割合が6%で調査対象139カ国中132位という結果でした。やる気と生産性の研究結果として、やる気に満ちた社員の生産性は、やる気が少ない社員の約3倍あるということが分かっています。バブル期に奇跡の経済成長を遂げた日本人の働きぶりはエコノミック・アニマルといわれ、米国にすら恐れられた日本が今や経済的に衰退しています。
マネジメントという言葉は、経営管理や組織運営等を意味して使われています。在日イギリス人の経営者であるデービッド・アトキンソン氏は「マネジメントが最も関係する全要素生産性(TFP)は、諸外国では大きく伸びているのに、日本ではほとんど伸びていない。つまり、日本に決定的に不足しているのは、マネジメントだということが、はっきりとエビデンスとして出ている。」と述べました。実業家である出口治明氏も「マネジメントの問題点は、データを軽視し、自分の経験や思い込みだけで物事を判断してしまうところである。」と述べました。
つまり、どんなに世の中が発展してもテクノロジーを扱うのは人であり、私たちも人である以上、パフォーマンスを最大化できる組織の在り方とそれを構成する人こそが一番重要になるのです。人生100年時代といわれていますが果たして、新潟はこの先100年先も発展し続け、みんな幸せに暮らし、不安もなく安心して暮らしていけるでしょうか。そのためには、組織として発展していくことが必要だと考えます。
2020年からはじまった新型コロナウイルスのパンデミックによって、新潟青年会議所では、事業の開催においてオンラインを導入して、オンラインとリアルを併用したハイブリッド開催で事業を実施してきました。コロナ禍でも効率的に会議を開催し、社会情勢の変化に左右されず事業を実施することができた一方、これまで大切にしてきたリアルで参加するからこそ提供される学びや気づき、メンバー同士の出会いや交流の機会が少なくなってしまいました。コロナ禍で挑戦してきた様々な経験を踏まえ、2023年度はメンバーが得られるリアルでの機会を大切にして、よりメンバーが交流し、五感で体感することできる学びの場を増やしていきます。様々な課題を抱える新潟において、コロナ禍でも私たち自身や、市民が幸福になるために、これまでの組織を変革して、新潟青年会議所を発展させましょう。

目指すのは持続可能な組織

Aiming for a sustainable organization

持続可能な世界を実現するためには、まずは私たちの内面の成長が必要であるとInner Development Goals(IDGs)という目標が、SDGs後の取り組みとして掲げられています。DXやRPA等のテクノロジーの発達、これからのVUCAな時代には、チームでの成果がすべての仕事で重要になり、一人ひとりの判断力の向上を前提とした組織としてのチーム力が必要となります。また、Society 5.0とも呼ばれる超スマート社会の実現に向けて、技術革新が行われても、結局はその技術を扱う人がいなければ活用できません。成功循環モデルを活用し、互いの関係や個々の思考や行動の質を高め、高い成果を出す循環を創りましょう。また、組織の中で生産性を高める重要な要素として心理的安全性が注目されています。Google社は、プロジェクト・アリストテレスという生産性の高いチームがもつ共通点と成功因子の研究結果として、チームの生産性を高めるには、心理的安全性が一番重要であると示しました。青年会議所は地域を牽引する各業界のトップリーダーたちが集い、最先端の手法を実践し、社業や今後の人生に活かせる、組織論、リーダー論、思考法や様々な有用で最先端の情報がもち帰れる場所であり、個人が成長を実感できる組織である必要があります。メンバーの成長と持続的な組織の発展のために、育LOMの推進やNJCCSやホームページやSNSの運営、管理を通じて、心理的安全性の高い組織運営の在り方を模索し、管理する組織から自ら学習する組織へ変革していきましょう。

新たな人財発掘と育成の必要性

Necessity of discovering and training new human resources

JCI MISSIONに「青年会議所は青年が、社会により良い変化をもたらすための、発展と成長の機会を提供する」とあるように、青年会議所は発展と成長の機会を提供する団体です。機会を提供するにあたり、相手側が前向きに受け入れる姿勢や、提供する環境が大切になりますが、新型コロナウイルスの発生以降、リアルでなくオンラインでの事業参加が増え、機会を提供する環境や、その成果は大幅に変わりました。また、入会年度の浅いメンバーが増え、新型コロナウイルス発生以前の青年会議所を経験したメンバーが少なくなり、急速に新しい組織へと変わってきています。近年も新潟青年会議所の会員拡大数は純増を続け、2012年の正会員数は184名でしたが、昨年2022年は268名と、10年で84名も増加しています。持続的な組織になるために、メンバーの育成が喫緊の課題であり、メンバーに対し、早い段階で機会を提供し、役職を受ける意欲のある若者を発掘することが重要です。伝統と次世代をつなぎ、組織をより良くするために想いを継承していきましょう。

地域と人による幸福の実現

Realization of happiness by communities and people

新潟市は2015年から2045年の30年間で、約2割の人口が減少する見通しにあります。逆参勤交代とは、社員、自治体、企業の三者にメリットがある取り組みであり、大都市圏で働く社員の、地方での期間限定型リモートワークです。社員にとっては心身のリフレッシュ、ワークライフバランス、セカンドキャリアにつながり、自治体にとっては、担い手と関係人口を増やし、住宅需要も増やすといった効果をもたらすことが期待できます。また企業にとっては人財育成、働き方改革と地方創生ビジネスの推進につながります。逆参勤交代の中でも、子どもの学習に特化したデュアル・スクールや、半学半教で人財地域の学生を刺激し、人財を活用したセカンドキャリア型等、逆参勤交代には多様なモデルがあります。都市の活気は都市の店の数と種類といった多様性が向上すると、そのエリアの売り上げは向上することが分かっています。地域の環境、社会、経済の価値に自然を通して付加価値を付け、人と生き物が共生する持続可能な社会になるためには、都市部の緑化が注目されています。生物多様性のある空間にすることによって、そこに住む市民の幸福度が上がるといわれております。地域を牽引する組織として、地域や働く人々の環境がより良くなるために運動を起こしましょう。また、若者の活躍の場を広げるために、地域の傑出した若者を発掘し、スポットライトを当てることで、全国から注目を集め、全国的に活躍できる人財のサポートをしていきましょう。

地域を盛り上げるために必要な若者

Young people needed to revitalize the region

2021年、新潟県の人口減少率は1.11%と全国で7番目に高くなり、減少数、減少率とも過去最大となりました。働き口を求めて県外へ出ていく若者も多く、人口減少を少しでも減らすためには、若者に対して新潟県の魅力増進を図り、発信していく必要があります。新潟県が実施する、若者の県外流出を防ぐ施策の一つとして、新潟市中央区にあるスポーツ公園に市内で、最大規模の初のスケートボードパークを建設しており、2023年3月の完成を予定しています。若者が集まる場で行われているのは、スケートボードの他、3x3(スリー・エックス・スリー)やダンス等様々なものがあります。若者の文化が活性化すれば、まちが元気になり、新潟の魅力も増していくと考えます。若者の文化を盛り上げ、全国に発信し、新潟の知名度を上げ、若者が活躍できる魅力的なまちにしていきましょう。また、若者の文化は目新しいものだけではありません。U-11少年少女サッカー大会においてはグッドルーザーの精神や感謝、礼儀をもつ若者を増やしていきましょう。

新しい地域事業の創出

Creation of new regional businesses

国連世界食糧計画(WFP)によると、世界人口の約9%に当たる、約7億人が飢餓状態にあるとし、約2億5千万人が飢餓状態に陥る寸前にあると推定しています。そんな中、飢餓を解決するものとして淡水環境や海洋環境に由来する植物、動物、藻類等を総称したブルーフードが注目されています。ブルーフードの中には牛肉、豚肉、鶏肉と比べ栄養素が多く含まれ、健康面で優れた食物であることが分かっています。アニマルウェルフェアをはじめとする動物福祉への理解が進み、食糧問題への考え方が変化する情勢の中で、動物以外の食品への関心は益々高まっていくと考えられます。また、世界的な魚類の需要の急速な高まりにより、2048年には海から食用魚がいなくなるといわれています。漁業の将来を救う可能性を秘めたブルーフードは、古くから漁業が盛んに行われてきた新潟において、とても重要な食物になり得るでしょう。深刻な食糧危機が目前に迫っている中、新潟青年会議所が中心となって産官学民と連携体制を構築し、新たな地域事業を創出して、率先して課題と向き合っていく必要があります。伝統ある地域事業への参画や新たな地域事業の創出を要に地域との関係性を強化し、様々な地域課題に取り組んでいきましょう。

国際人として新潟から世界

From Niigata to the world as an international person

世界の中のアジア太平洋地域は人口が約4割、貿易量が約5割、GDPが約6割を占めており、経済的にも今後世界の中心となっていくことが予測されています。一方で日本のGDPは下がり続けており、日本企業は海外に向けて進出していく必要に迫られています。日本はウクライナと軍事衝突しているロシア連邦、断続的に日本海に向けミサイルを発射する北朝鮮と近隣の地域に位置しています。緊張感のある国際情勢の中でも国際的な交流を進めていくために、日本海側最大の政令指定都市である新潟は、アジアの玄関口としてプレゼンスを高めていく必要があります。青年会議所は、恒久的世界平和を目指す団体として、姉妹JCである大韓民国ソウル汝矣島青年会議所と、中華民國板橋國際青年商會と長い間、友好関係を構築してきました。文化や価値観の違いはあるものの、人と人との交流を通じて友情を育み、相互理解を深め、連携を図ってきました。新型コロナウイルスによりメンバー個々の国際交流に対する意識が変化する中、今こそ国際交流の重要性を理解し、私たちが率先して、民間外交を推し進めていきましょう。

国際都市活性の起爆剤としてASPAC開催

Holding ASPAC as a catalyst for revitalizing international cities

新潟青年会議所は2026年までの開催に向けて、JCI ASPAC(アジア太平洋エリア会議)の新潟大会誘致を目指しています。ASPACを誘致することで、アジア太平洋地域をはじめとする日本全国の多くのメンバーに実際に訪れていただき、新潟を知ってもらい、新潟をPRする絶好の機会となります。ASPAC開催に対して、メンバーにもたらす成長の機会となることはもちろんのこと、地域にもたらす経済効果や、他団体との協力が必要であり、その際に今まで以上の関係性を発展させるチャンスとして理解してもらい、新潟ブロックや北陸信越地区内の各LOM、JCI日本やJCIとの連携が、非常に重要になってきます。新潟市は政令市別の国際会議開催件数が、政令指定都市20都市中16位で、複合一体型の国際コンベンション施設や交通インフラ等を有していますが、潜在的な能力を発揮できていない状況にあります。例えば、市の施設や交通機関等が、どれだけ外国の方に対応しているのか、まだまだ課題は山積しております。ASPACという国際会議の開催を契機に、国際都市としての可能性を発揮して、新潟の魅力を海外に発信し、日本海側最大の国際都市としての存在感を示していきましょう。

民間防衛に主眼を置いた新潟のレジリエンス

Niigata resilience focused on civil defense

私たち青年会議所は地域のトップリーダーが集まる団体です。日本は、食糧自給率とエネルギー自給率が低く、多くを輸入に頼っています。諸外国に比べて台風、豪雨、豪雪、地震、津波、噴火等の自然災害が発生しやすい国土であり、新潟県も多くの災害に見舞われています。その他にも電磁波パルスで電子機器を破壊するEMP攻撃や、細菌攻撃、サイバー攻撃、誘拐等のテロの危険性や、他国による軍事侵攻が懸念されており、世界でロシアとウクライナが軍事衝突する中、他国が日本に軍事侵攻してくるということも、ありえない話ではなく、戦争ということが対岸の火事ではありません。新潟は地政学的に重要な日本海側の中央に位置しており、日本が軍事侵攻される際に、標的になる可能性も高いと思われます。まず命を守るには、自分で自分を守る、自助が一番重要になります。心構えで結果が変わるといわれており、平穏に暮らしている今だからこそ、なにが起こっても対応できるように、私たちはリーダーとして、家族、社員、地域社会を守るために、想定外を想定できるように、私たち自身が知識を身に付け、関係団体との連携体制を強化する必要があります。また、新潟青年会議所と友情を育んできた他LOMとも、より一層関係を強化していきましょう。

国を想い、郷土を愛するこころ

A heart that thinks of the country and loves the hometown

2021年の新潟県内の自殺者数が467人となり、人口10万人当たりの自殺者数は21.2人で、全国ワースト3位となりました。今を生きているのは人類が誕生してから、途切れることなく命をつなげてきた証であり、一人ひとりが貴重な存在であり、一人の行動が世界を変えることを理解し、まずは自分自身が行動することが、自殺者数を減らすことにつながると信じています。私たちは目には見えない多くのものを背負っており、自国の伝統文化、歴史に精通し、他国の人物と対等に渡り合い、世界で活躍する人物になる必要があります。日本は縄文時代から今に至るまで歴史が続いていますが、その歴史は少なくとも2683年と長きに亘り続いており、世界最古の歴史がある国です。古事記、日本書紀の歴史書、四書五経をはじめとする書物、長い歴史の中の偉人や賢人から多面的な視点で学ぶことで、今は無い洗練された日本の精神性を思い出す必要があります。様々な社会問題や安全保障上の緊張感が高まる昨今、自分と相手のありのままを大切にし、その上で調和を大切にする人財を育成していきましょう。

全国に増やす新潟のファン

Niigata fans are increasing nationwide

新潟青年会議所は多くの出向者を毎年輩出しており、出向者の学びをLOMに還元してきました。一方で、近年は入会歴が浅いメンバーが多くなり、出向することやJCIやJCI日本、北陸信越地区や新潟ブロックの事業に参加することに対して、十分にメリットを理解していない人も増えました。これまで以上に出向先の学びをLOMに還元するとともに、JCI ASPAC新潟大会誘致に向けて、出向することや各種諸大会に参加することのメリットをメンバーが理解し、参加を推進していく必要があります。また、他LOMメンバーが新潟を訪れる際におもてなしをすることで、文化や歴史等の多くの魅力を堪能していただいて、まずは身近な人にファンになってもらい、そこから伝播し新潟のファンを増やしていき、また訪れたいと思ってもらえるような機会とします。他LOMメンバーと接する中で、他LOMのことを知り、新潟について考えるきっかけにしていきましょう。

適正な財政とコンプライアンス

Appropriate finances and compliance

青年会議所は、メンバーの貴重な会費によって運営されています。適正かつ妥当な審査方法によって会費が運用されることはもちろんのこと、費用対効果を高める必要があります。また、SNSはPRやコミュニケーションに対して有用なツールである一方で、トラブルや炎上リスクもつきまといます。個々が発信する時代でもSNSを効果的に活用するために、リスク対策をしっかり行い、どんな失敗事例があり、どうすればリスクを軽減できるのかを学び、それをメンバー全員が理解することが重要です。メンバー一人ひとりの発信力を高めていくためにも、リスクを最小にする規則審査をしましょう。

生産性の高い会議

productive meetings

生産性の高い組織というのは管理型の組織でも、一人ひとりが自由奔放な組織でもありません。まずは、心理的安全性の高い会議を目指すとともに、明確なルールを定め、高い生産性を備えた円滑な運営ができる組織となる必要があります。また、会議の在り方、進め方、合意形成のやり方は、それ自体が社業に活かすことのできる学びの場でもあります。個性溢れる多様なメンバーが、その力を遺憾なく発揮できるような会議の質が重要になります。これら会議の円滑な運営と連携を要として、盤石な組織を創り上げていきましょう。

一人ひとりの発信力強化

Strengthening each person's ability to communicate

青年会議所のことをまだまだ知らない人が多いと感じます。新潟JCシニアクラブメンバーや現役メンバーが、誇りに思ってもらえるように青年会議所の価値を高める、地道な努力をする必要があります。それは特別なことをやるのではなく、まずは確実に発信をしていきましょう。わかりやすい言葉でターゲットの共感を誘う表現手段で、市民の皆様に共感を呼ぶ必要があります。また、各事業への考えや内容を一番理解している担当会議体、委員会が直接発信をすることで、市民へわかりやすく、熱量を伝え、多くのメンバーが学びの機会を得ることができると考えます。さらに、事業計画段階からメディアが取り上げたくなる要素を組み込んで事業を計画し、複数のメディアが取り上げたくなるような仕組みを構築していくことで、新潟青年会議所の運動の効果を最大化していきましょう。

終わりに

at the end

様々な団体がありますが、青年会議所の必要性は増してきていると感じます。諸外国に比べ行政が担う役割には限界があり、少子高齢化も進んでいる中、民間企業や団体が担わなくてはいけない役割は多くあります。学校の部活動の地域移行に関する検討等、今後もわれわれが担うべき役割は益々増えてくるでしょう。私たち青年会議所は、社会課題に対する当事者意識をもち、青年会議所の活動を通じて地域の明るい豊かな未来のために活動しており、地域で活躍できる次世代のリーダーを育成する団体です。
私たちは、まず自分が変わることによって、日本を変え、世界すら変える原動力を有する地域の次世代のリーダーとなることができます。10年先、20年先の地元のことを自分ごとのように考えて活動している組織は青年会議所の他にはありません。青年会議所は単年度制でその年、その年での役職というのは、環境的な必然性を与えてくれます。そして、必然的な機会の提供により、少し背伸びをして、自分自身の成長を実感できるようになります。メンバー一人ひとりが、機会を活用し、多様な価値観を受入れ、相手を包み込むような、強くてやさしい支えるリーダーを目指しましょう。
様々な社会問題や環境破壊は人の幸せが、お金や権力にあると勘違いして、それを過剰に追い求めることから生まれたのだと思います。多くの人々が本質的な幸せに気づき、人のエネルギーの起点が変わったなら、世界はきっと変わるはずであると、私は確信しています。否定や批判は何も生みません。多様な価値観を受け入れるには強さが必要であり、強さとは突き抜けていく強さと、包み込む強さがあります。相手の考えを包み込んで受け入れる許容力は自己肯定からはじまります。人を批判している人は自分も同じように否定しているはずです。まずは自分がどう考えていて、どう思っているのかを大切にし、周囲に主張していくことを大切にしましょう。

すべてのことに良い面、悪い面が必ずあります。
一朝一夕に解決する方法はありません。
夢や目標は大きく描いて
コツコツと、一歩一歩、地道に行動し。
まずは私たち一人ひとりが幸福の起点となろう。

世界に変化を望むのなら、自らがその変化になれ。
初めは少数の人から始まる。
時には、ただ一人で始められるものである。
マハトマ・ガンディー

まずは自分から変わり、行動しよう

一般社団法人新潟青年会議所
2023 年度 理事長

加藤 宏隆